@article{oai:iuj.repo.nii.ac.jp:00000735, author = {熊谷, 文枝 and Kumagai, Naoko}, journal = {国際大学大学院国際関係学研究科研究紀要, Bulletin of the Graduate School of International Relations}, month = {Dec}, note = {日本の家族を、外的及び内的両側面から分析した結果、それは近代的とも伝統的とも断言することはできず、むしろ、近代性と伝統性の両者の調和的融合物であると考えるのが妥当であることが判明した。例えば、本稿で分析した日本の家族の外的、あるいは人口学的要素のことごとくが、日本の家族の近代性を顕著に示していた。つまり、核家族の広汎性、極度に低い出生率とその結果として発生する家族数の縮少化、見合結婚にまさる恋愛結婚の慣行、高齢者人口の飛躍的な増加と平均寿命の伸長、日本の家族のライフ・サイクルと西洋社会のそれとの近似性、フランスや西独と同一レヴェルにまで達した離婚率の上昇などである。一方、今日の日本の家族の内的あるいは構造的特質には、伝統性が失われることなく存続している事実が浮き彫りにされた。つまり、家族のダイナミックスは、夫婦間の横の連結よりもむしろ、世代間の縦の関係に強い絆が存在し、個々の日本人の一生に亘るライフ・サイクルを通して見ると、日本の家族は核家族というよりも、むしろ修正直系家族と呼ぶのがより適切であると思われる。これらの結果は、今日の日本の家族が、外的近代性と内的伝統性の双方の特質を兼備していることを示唆しているといえる。家族の中に見られるこの伝統性と近代性の調和的融合性は、ある意味では、日本社会の近代化の歴史と同様の意味合いを持つといえよう。つまり、日本社会の近代化の過程で、西洋の先進産業技術が熱心に取り入れられた反面、日本の伝統的文化は棄却されることなく依然として堅持されているのである。}, title = {日本の近代化と家族}, year = {1984}, yomi = {クマガイ, フミエ} }